Acronis True Imageのレビュー 2024年：高価格ですが、評判は?

オールインワンで高性能。ただし注意事項も

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一見すると、Acronis True Image 2021（アクロニス トゥルーイメージ2021）は必要な機能をすべて搭載している印象です。実際に使ってみると、やはり期待通りでした。Acronis True Image 2021はバックアップと強力なサイバーセキュリティをオールインワンで実現するサービスです。

バックアップ機能に関して、モバイル端末、外付けドライブ、ソーシャルメディアのバックアップが可能で、同期や共有オプションもあります。一方、サイバーセキュリティ機能に関して、有害なマルウェアからシステムやアプリ、データをリアルタイムで保護できます。

Acronisは業界で最もパワフルなバックアップサービスでしょう。しかし、価格が高いため、全機能を必要としない個人ユーザーには向いていないかもしれません。一方、パワーユーザーや中小企業の経営者は、バックアップに関するニーズにすべて応えられることに魅力を感じるかもしれません。

アクロニスを購入する前に、検討したいことがいくつかあります。

高度なセキュリティ対策が本当に必要ですか？ どのようなファイルをバックアップする予定ですか？ どのくらいのストレージ容量が必要ですか？ どのような端末をお使いですか？ バックアップするのは1台の端末ですか？それとも複数台ですか？高価格なサービスに加入する前に、以上のようなことをじっくり検討しましょう。

あなたにピッタリのサービスか判断できるよう、宣伝を検証し、サービスを実際に利用し、サービスの実態を探りました。

オンラインバックアップソフトを一歩先へ

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Acronis True ImageはEssential、Advanced、Premiumという3つのサブスクリプションプラン1があり、バックアップしたい端末数を選ぶことができます。Essentialプランでは、バックアップの保存先はローカルおよびネットワーク上だけで、ランサムウェア対策機能付きです。

クラウドバックアップを利用したい場合はAdvancedプランまたはPremiumプランを選びましょう。マルウェア対策機能、ブロックチェーン認証、PC間でのファイルの同期と共有なども利用できます。

今回はMacBook Airとスマホを保護するために、1台のコンピュータで利用できるAdvancedプランを選びました。では、最も重要な機能を詳しく見ていきましょう。

Acronisのバックアップソフトウェアを使用すると、端末上のファイル、アプリケーション、システムをすべて保護できます。手動バックアップだけでなく、バックアップのスケジュールを設定して定期的に行うことも可能です。

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また、継続的なバックアップに設定すると、ファイルを変更するたびにバックアップが行われます。スケジュール設定によらず、アプリを終了した後やコンピュータがアイドル状態でもバックアップは継続します。

パソコンをシャットダウンした場合、電源を入れてインターネットに接続すればバックアップが再開します。データが重複することはありません。

ファイル形式の制約

Acronis True Image 2021ではファイル形式は制限されていません。ただし、対応しているファイルシステムはWindows版とMac版で異なります。Windowsでは、NTFS、Ext2/Ext3/Ext4、ReiserFS(3)、Linux SWAP、HFS+/HFSX、FAT16/32/exFATに対応しています。Appleでは、APFS、HFS+、FAT32、NTFSに対応しています。

つまり、ファイルシステムは、ファイル形式ではなくディスクに適用されます。以上のファイルシステムがディスクにあれば、ファイル形式によらずディスク内の全ファイルがバックアップされます。

クラウドバックアップとクローン

AdvancedプランとPremiumプランでは、クラウドバックアップでセキュリティを強化できます。復元用に、オフサイトにデータをコピーしておけます。

端末を買い替える予定から、ディスク全体のクローンを作成してくことですべてのデータを新しいパソコンに簡単に移行できます。特定のファイルだけをバックアップしたい場合、アクロニスなら一部のフォルダやファイルだけをバックアップしておくことも可能です。

データの復元

アクロニスでは999バージョンまでバックアップを保存でき、保存期間をそれぞれ設定することもできます。オンラインバックアップサービスとしては珍しい機能でしょう。また、ファイルの復元方法もいくつかあります。ドライブ全体を復元する必要がない場合、復元したいファイルやフォルダを個別に選択できるので安心です。

Windowsの場合、Universal Restore（ユニバーサル復元）機能を使えば、別の端末にシステム全体を簡単に復元できます。この機能はMacでは利用できないのが残念ですが、True ImageならMacの復元も簡単です。詳しくはサポートの項目でご説明します。

True ImageのAcronis Survival Kitでは、システムを完全にバックアップするだけでなく、システムの復元に必要なもの（軌道に必要なメディアなど）もすべて提供しています。

セキュリティ

アクロニスのリアルタイム保護機能は、ファイルを操作すると同時に安全性を確認してくれます。また、ウイルス対策スキャンをオンデマンドまたは自動で実行することも可能です。毎日、バックグラウンドで脆弱性の診断を行い、システムやアプリの脆弱性を検出してくれます。

Acronis Cloudに保管されているバックアップデータを政府レベルのAES-256暗号化で保護することもできます（パソコン・モバイル）。プライベート暗号化キーを設定すれば保護をさらに強化でき、アクロニス社さえもデータを読み取れなくなります。ただし、プライベート暗号化キーを使用した状態でパスワードを紛失すると、アクロニスにお願いしてもパスワードをリセットできないので注意が必要です。

アクロニスの物理的なデータセンターも安心で、データの安全性は確実に保護されます。武装警備員が各データセンターに常駐し、24時間年中無休体制で監視カメラが作動しています。また、データセンターに入るには生体手形認証スキャンを行い、近接型キーカードが必要です。

興味深いことに、Acronis True Imageのアカウントは2段階認証に対応していません。また、共有ファイルをパスワードで保護できないのも弱点です。

インターフェースがとても分かりやすい

アクロニスのパソコン用ソフト、モバイルアプリ、ブラウザ拡張機能のインターフェースはすべてとても優れています。デスクトップアプリはすっきりしたモダンなデザインで、機能の設定方法、使用方法の説明が表示されます。

Acronisのファイル同期・共有では、Windowsでパソコン間またはクラウド間でファイルを同期し、作業中にリアルタイムでファイルをバックアップできます。Try and decideというサンドボックスを活用すると、アクロニスの機能を実際に利用する前に、安全に試してみることができます。残念ながら、上記2つの機能はMacでは利用できません。

では、アクロニスが使いやすい理由について詳しく見ていきましょう。

一目ですべてモニタリングできる

デスクトップアプリには分かりやすいオンラインダッシュボードがあり、全端末のバックアップ状況、統計データ、サイバーセキュリティ指標を確認できます。

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また、デスクトップトレイのプッシュ通知をオンにすることもでき、システムの状況を常に把握したい場合に役立ちます。

製品や端末の概要を知りたいときは、アカウントタブで「オンラインダッシュボードを開く」をクリックすると、ブラウザでアカウントを見ることができます。アカウントではプランの更新、ストレージ容量の確認、プランのアップグレード、製品の購入、端末の追加・削除などの操作が可能です。

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Archiveで空き容量を確保

Acronis True Imageで私が一番気に入ったのは、「Archive」です。パソコンの空き容量を増やすためにファイルをクラウドやローカルドライブに移動できます。頻繁に使用しないファイルや大きなファイルを残しておきたい場合に最適です。セキュリティ強化のため、Archiveでデータを暗号化することもできます。

いつでもどこでもモバイルデータをバックアップ

モバイルアプリも使いやすく、優れたデザインです。モバイルのデータをパソコンやクラウドにバックアップしたり、バックアップやアーカイブの全内容を閲覧したりできます。また、スマホの機種を変更する場合、iOSからAndroid（またはその逆）にデータを移行するのも簡単です。

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iPhoneアプリでは、ファイルをダウンロードする前にサムネイルを見ることができますが、Androidアプリではできません。

アカウントの設定

Acronis True Imageの加入方法、インストール方法は一般的なソフトと同じです。デスクトップアプリをダウンロードし、シリアル番号を入力してログインするだけで完了します。アカウントに登録せずにソフトをダウンロードした場合は、ソフトで登録できます。

アクロニスのアプリを初めて起動すると、クイックスタートガイドが表示されます。バックアップやウイルス対策スキャンの設定方法など、基本を押さえられるので便利だと思いました。機能が正常に動作するよう、Acronisにセキュリティアクセスを許可してください。

バックアップの設定は簡単です。「バックアップ」というタブで、画面左下の「+バックアップを追加」ボタンをクリックし、ソース（バックアップしたいフォルダ、ファイル、システムなど）を選択し、デスティネーション（Acronis Cloudや外付けドライブなど、データの保存先）を選択します。

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アクロニスでは、バックアップのスケジュールを自由に設定できます。日、週、月単位でバックアップできるほか、常にバックアップすることも可能です。さらに、外付けドライブを接続したらバックアップを開始することもできます。

同様に、ウイルス対策スキャンのスケジュール設定もあり、パソコンを起動するたびにスキャンを開始するオプションもあります。

また、不審なファイルの対処方法も設定できます。Acronisが問題のあるファイルを検出したら、「通知を表示」と「検疫」から選べます。検疫に設定すると、潜在的な脅威を隔離しておけるので安心です。

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保護をワンクリックで停止することもできます。

Acronisのスピードとシンプルさに感激

Acronis True Imageの性能を試すため、容量が2.76GBのテスト用フォルダをバックアップします。Acronis Cloudにアップロードし、デスクトップからフォルダを削除し、ごみ箱も空にしました。次に、フォルダを丸ごと元の場所に復元するという作業を2回繰り返します。なお、別の場所に復元することも可能です。

私はオーストラリアのメルボルン在住なのですが、幸い、アクロニスはメルボルンに近いシドニーにデータセンターがあります。アクロニスが世界中に多数のデータセンターを用意していますから、近くにセンターがあるのは驚くべきことではありませんでした。一般的にダウンロード速度とアップロード速度は、それぞれ26.12Mbpsと4.75Mbps程度です。

火曜日の午後1時に初めてフルバックアップを実行したところ、ちょうど2時間で完了しました。また、何度かクリックするだけで簡単に復元できました。ファイルの復元には30分かかりました。

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同じフォルダでもう一度同じ作業を繰り返したところ、前回よりやや短時間で完了しました。今回は、月曜日の午前8時30分に開始し、1時間37分かかりました。復元は16分で終わりました。

iDriveなど他のバックアップサービスと比べると平均的な速度ですが、アップロード速度が遅いからかもしれません。

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モバイルのバックアップも簡単でしたが、いくつか追加の手順があります。写真や連絡先は、クラウドではなくMacにバックアップすることにしました。QRコードを読み取る必要があるため、パソコンを手元に用意しましょう。

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テスト用ファイルの容量は112.88GBで、バックアップに15時間17分かかりました。大容量なのでかなり時間がかかったのは納得できますね。バックアップ中にスマホの動作は遅くならず、アプリを終了してもバックアップが妨げられることはありませんでした。

Acronisはプライバシーを重視したサービス

Acronisは、プライバシー保護の取り組みについて「プライバシーステートメント」で詳しく説明しています。ステートメントを詳しく検証したところ、プライバシー方針の適用範囲、個人情報の収集・保護、子どものプライバシー保護など、かなり細かく書かれていました。

収集、処理しているデータは製品の動作とサービスの効率的な提供に必要なものだけです。Acronisに直接問い合わせれば、どのようなユーザーデータを保存しているか確認できます。

Acronisは、会社が合併したり、その他の所有権や支配権が変更したりした場合、利用者の個人データを関連企業、ベンダー、再販者、その他のビジネスパートナーと共有する権利があります。その場合、共有先の組織も利用者の情報を安全に保ちます。

Acronisがサーバーを設置している国では、政府がその国の法律で定められた法律に基づいて、国内に保存されている個人データにアクセスする権利を有する場合があります。また、禁止されているコンテンツが含まれているという疑いもしくは確信がある場合、個人データを共有する権利もあります。

Acronisが必要と判断した場合、個人データを法執行機関、規制組織、政府組織、裁判所、その他の第三者とデータが共有されます。合理的に可能な場合は、開示要求についてユーザーを通知します。

カスタマーサポートの対応はまちまちですが、チュートリアルは便利

Acronisのカスタマーサポートは全世界で利用でき、チャットまたはチケット（メール）で問い合わせることができます。アメリカ、カナダ、イギリス、ベルギー、シンガポール、オーストラリアでは電話サポートも可能です。さらに、ヘルプ記事や、ユーザー掲示板もあります。

サービスへの加入を検討する際、カスタマーサポートはとても重要ですね。初めてAcronisのカスタマーサポートに問い合わせたときは対応がかなり悪かったのですが、その後は良かったです。私の体験をご説明します。

まず、チャットでUniversal Restore for Macについて質問したのですが、その前にフォームに記入しなければなりませんでした。チャットは24時間年中無休で対応しているはずですが、私が利用したかったときはオフラインで、「代わりにチケットを送信してください」と書かれていました。チケットを受信したという通知メールが届きましたが、対応の待ち時間は書かれていませんでした。最終的に届いた回答は全然役に立たず、はっきり言って少し失礼な印象でした。

運が悪かったのかもしれませんから、チャットをもう一度試してみることにします。幸い、2人目のサポートスタッフは親切で、丁寧に素早く対応してくれました。

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他のユーザーの体験を読んでみると、チャットサポートの対応は良いときと悪いときがあるようです。しかし、ナレッジベースやコミュニティ掲示板も利用できるので、問題を解決できるでしょう。

高額で料金体系が複雑なので一部のユーザーは敬遠

Acronisで最大の不満の1つは料金体系です。シンプルであるべきなのですが、ティアの中にティアがあり、かなり複雑な料金体系となっています。また、他社のサービスと比べると、プランはどれも高価格です。

Acronis True ImageにはEssential、Advanced、Premiumという3つのプランがあります。さらに、各プランでバックアップするパソコンの台数を1台、3台、5台から選ぶことになり、台数によって価格が変わってきます。ただし、全プランでモバイル端末は何台でもバックアップできるのはせめてもの救いでしょう。

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Essentialプランでは最低限の機能しか利用できません。Advancedプランだと、500GBのクラウドストレージとマルウェア対策機能が利用できます。Premiumプランは以上の他に、クラウドストレージが5TB利用でき、追加機能がいくつかあります。また、アクロニスは多数のビジネス向けサービスも用意しています。

全機能が必要ない場合は高価格なプランの料金を支払う価値はないかもしれません。さらに、Macでは一部の機能が利用できないことに注意しましょう。

プランの支払いは、cleverbridgeというソフトの再販会社から行います。通貨を選び、Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレス、JCBカードで支払えます。支払いが完了すると注文確認メールが届き、支払い確定メールは1時間以内に届きます。

私がプランに加入しようとしたとき、VisaカードとMastercardカードを試したのですが、両方とも支払えませんでした。支払えない理由はなかったので、cleverbridgeに連絡したところ、24時間以内に解決してくれました。