Macのデータをクラウドに保存したい場合、iCloudが一番便利ですね。しかし、文句なしのサービスとは言えません。複数のApple端末やiCloudサービスを使い分けたり、iCloudアカウントが共用だったりすると、すぐに空き容量が足りなくなってしまいます。アップグレードして増量することもできますが、料金はかなり高めです。
Apple製品は安全性が非常に高いことが知られていますが、iCloudのセキュリティ対策はiPhoneなどと同じではありません。2014年に海外セレブのプライベート写真が流出した事件や、2019年の電話詐欺など、何百万人ものの利用者がセキュリティを懸念しています。 他のクラウドバックアップサービスへの乗り換えを検討している方が多いのも納得できるでしょう。
クラウドバックアップと一口に言っても、すべてユーザーのニーズに応えられるサービスはありません。適切なサービスを選ばなければ、
必要以上に高い料金を支払う羽目になったり、 使いにくくて困ったりする可能性があります。
何台の端末をバックアップしたいのか、容量が無制限でなければいけないのか、使いやすさを優先したいか…。あなたが欲しいのは、どのようなサービスでしょうか?
今回の調査では、Mac、iPad、iPhoneに最適なサービスを見つけるべく、
業界トップのクラウドバックアッププラットフォームを徹底検証 しました。分析結果をご覧になり、あなたにピッタリのクラウドバックアップサービスをお選びください!
2021年におすすめのMac向けクラウドバックアップサービスの評価項目
使いやすさ
専門知識がなければ使いにくい上級ユーザー向けのサービスもありますが、使いやすいサービスなら、初期設定が完了したら操作が必要ないので初心者でも安心です。この記事では、手軽に使えるサービスから詳細設定が多いものまで、さまざまなユーザーに合ったMac向けクラウドバックアップをご紹介しています。
バックアップ機能
この記事でご紹介するプログラムは、Macのデータをクラウドにバックアップするサービスですが、他にも追加サービスを提供しているものもあります。例えば、外付けドライブのバックアップ、アプリケーションやシステムのバックアップ、iPhoneやiPadのバックアップ、自動バックアップ、リアルタイムの継続バックアップ、Macシステム全体のミラーイメージの作成などです。また、災害時にデータを失ってしまった場合に備えて、バックアップしておいた膨大な量のデータをハードドライブとして郵送してもらえるサービスもあります。比較的短時間でデータを復元できるのは便利ですね
コストパフォーマンス
業界トップのクラウドバックアップサービスは、容量が無制限だったり、無制限の端末でランサムウェアを検知したりできるほか、ブロックチェーン認証や「Macを探す」機能への対応など、さまざまな特長があります。サービス内容や機能と料金を比較し、お金を払う価値があるか判断しましょう。
IDrive(アイドライブ)は、業界トップクラスのMac向けクラウドバックアップサービスです。
無料プランとパーソナルプラン 1 は端末数が無制限で、パソコンとモバイルのデータをバックアップできます(チームプランとビジネスプランは少し異なります)。
IDriveは
リアルタイムで継続的にバックアップできる という点が珍しいでしょう。さまざまなバックアップが可能なので、Macの他にもiPhoneやiPad、外付けハードドライブ、システム、アプリケーション、オープンファイルなどをバックアップしたり、「ディスククローン」を作成してMacのドライブ全体のコピーを取ったりできます。また、IDriveのiOSアプリを使えばiPhoneやiPadの連絡先、カレンダーのイベント、写真などもバックアップできます。
膨大な量のデータを復元したい場合、「IDrive Express」というサービスが便利です。一時的な記憶装置にバックアップしたデータを入れて郵送するサービスです。データ量が多い場合、クラウドからダウンロードするよりハードドライブからダウンロードした方が手っ取り早いこと多いので、比較的短時間でデータを復旧できます。
ただし、CarboniteやBackblazeなどとは違い、
IDriveのプランはストレージ容量が無制限ではありません。 また、ファイルの共有機能がかなり少ないのも欠点です。パーソナルプランでは、パスワードで保護されたリンクや公開リンクを作成できません。メールでファイルを共有したい場合、受信者がIDriveに登録しなければファイルをダウンロードできないのも不便です。
詳しくは
IDriveの完全レビュー をご覧ください。
「手軽にMacのデータをクラウドにバックアップしたい!容量が無制限のサービスが欲しい!」そんな方におすすめなのはBackblaze(バックブレーズ)です。
Backblazeは「世界一簡単なクラウドバックアップ」と宣伝していて、Macの全ファイルを自動でバックアップできます(一時ファイル、空のフォルダ、OSのファイル、アプリケーションファイルを除く)。シンプルで分かりやすいのが魅力である反面、
どのファイルをアップロードするか選びたい場合は不満が残るかもしれません。 バックアップしたくないファイルは1つひとつ削除する必要があります。
Backblazeは
ホームユーザーに災害時の復旧サービスを提供しているのが ユニークです。最悪の事態が発生してもデータの安全性を確保できる安心のサービスでしょう。災害時の復旧には追加料金がかかりますが、30日以内にUSBドライブまたはハードディスクドライブを返却すれば返金してもらえます。また、Macの紛失・盗難対策として、端末を探す機能もあります。
Backblazeのプランは1台のパソコンで利用でき、ストレージ容量、ファイルの保持、ファイル容量はいずれも無制限です。複数のMacをバックアップしたい場合は、複数の契約に加入する必要があります。また、iPhoneやiPadのバックアップサービスはないこともご注意ください。
詳しくは
Backblazeの完全レビュー をご覧ください。
Acronis(アクロニス)は、
セキュリティ対策とバックアップオプションが業界で最も充実しています 。ランサムウェア・マルウェア対策、クラウドでのデータの自動複製、電子署名、さらにはブロックチェーン認証など、1つの契約でさまざまな機能を利用できるのが魅力です。1つのプランにつき1台のMacしかバックアップできませんが、アップグレードすれば5台まで保護できます。また、
全プラン1 でiPhone、iPad、外付けドライブ、システム、アプリケーションなどのバックアップも可能です。Acronisは日本語に対応しているため、快適に利用できるのも嬉しいですね。
Acronis True Imageは個人・オフィス向けのプランがあり、包括的なバックアップとデータ保護サービスを利用できます(企業やサービスプロバイダは別のブランドがソリューションを提供しています)。どれが最適か分からない場合、True Imageプランはすべて30日無料トライアルがありますから、実際に使ってみると良いでしょう。1TBのクラウドストレージ、オールインワンの復元ドライブ、ブロックチェーンによるデータ認証など、全機能をお試しいただけます。
この企業はクラウドバックアップとサイバーセキュリティ対策が専門で、全プランが機能性、自由度、カスタマイズ性が高いのが特長です。フルディスクバックアップ、ファイルの共有、フォルダの同期、バージョン管理、継続的なバックアップなど、ニーズに合わせて機能を利用できます。また、
優先サポートのエンジニアがインストールや設定を代行 するサービスもあります(有料)。
Acronisは便利な機能が満載ですが、他社と比べるとコストは高めで、
ストレージが無制限のプランはありません。 利用者としては容量が重要ですから、残念ですね。高度な機能が多いのは良いですが、一般的な個人ユーザーはあまり使わないかもしれません。
詳しくは
Acronisの完全レビュー をご覧ください。
「カスタマーサービスの対応が良くて、バックグラウンドでファイルを保護できれば十分!」という方もいらっしゃるでしょう。そんな場合におすすめしたいのはCarbonite(カーボナイト)です。
Carboniteのベーシックプランは多機能とは言えませんが、
データ容量が無制限 なのが注目ポイントです。ほとんど操作しなくても、Carboniteがバックグラウンドでバックアップしてくれるため、Macの文書、ファイル、写真、画像、音楽などを簡単に保存できます。Google Drive、OneDrive、DropBoxにバックアップしてあるファイルのうち、パソコンに同期されているファイルもバックアップできます。
PlusプランとPrimeプランは、自動クラウドバックアップ、外付けドライブのバックアップ、遠隔からファイルのアクセスなどが可能で、クラウドベースのウイルス対策ソフトとしてトップクラスの「Webroot SecureAnywhere AntiVirus」も搭載しています。また、CarboniteのPrimeプランでは、郵送による復旧サービスも利用できます。
しかし、Carboniteは
iOSアプリがありません。 この記事でiOSアプリがないのはCarboniteだけです。また、ファイルやフォルダの共有、ミラーイメージの作成などの機能もありません。さらに、Macで利用できる機能がWindowsより少ないのも欠点でしょう。プライベート暗号化キーやバージョン管理ができませんし、macOSのFinderやFileVaultに未対応です。
詳しくは
Carboniteの完全レビュー をご覧ください。
Zoolzはファイルを論理的に整理できるサービスです。同社のクラウドバックアップサービス「BigMIND」は、
人工知能(AI)とスマートフィルター でファイルを体系化し、Mac、iPad、iPhone、外付けハードドライブでデータを見つけやすくします。また、
顔認識やAIによる画像認識 で写真を整理できます。
BigMIND Homeは4種類の個人向けプランがあります。無料プランでは3台のパソコンと2台のモバイル端末を、ファミリープラスプランでは15台のMacと無制限のiPhoneおよびiPadを保護できます。全プランでモバイルバックアップ、ソーシャルメディアバックアップ、ハイブリッドバックアップが利用でき、有料プランでは外付けドライブのバックアップも無制限で利用できます。また、Zoolzはクラウドストレージサービス(Dropbox、OneDrive、Google Driveなど)のデータだけでなく、
ソーシャルメディアに投稿した写真や動画をすべて保存 できます。
Zoolzは無料プランがある数少ない企業の1つですが、容量は1GBしかありませんし、テクニカルサポートも利用できません。とは言え、無料プランでも3台のパソコン、2台のモバイル、1台の外付けドライブをバックアップできますから、他社の有料プランと比べると優秀です。
Zoolzは機能が豊富ですが、ファミリープラスプランの容量は1TBで、他社より少なめです。また、個人向けプランはプライベート暗号化キー、災害時の復元サービス、フォルダの同期機能がありません。
詳しくは
Zoolzの完全レビュー をご覧ください。
ランクインしなかったサービス
Googleドライブ
ユーザーの機密データを販売したなどプライバシー面が気になりますし、GoogleドライブはAndroidにしか最適化されていません。
Microsoft OneDrive
OneDriveはファイルの同期に時間がかかることがあり、かなり高価格です。また、Windowsユーザーしか利用できません。
Amazon Drive
セキュリティの観点で懸念があり、バックアップのスケジュールを設定できません。
クラウドバックアップサービスの選び方
MacはSSDの容量が少ないため、しばらく使っていると空き容量が足りなくなってしまいます。そうなるとmacOS向けの安全なクラウドバックアップサービスを利用するしかありません。ストレージ容量や端末数が無制限だったり、ランサムウェア対策や画像検出などの追加機能を提供したり、さまざまなクラウドバックアップサービスがあります。Mac上のファイル、フォルダ、情報を保存するのにとても便利です。
設定を自由に変えたい場合は、
IDrive1 や
Acronis1 をご検討ください。容量が無制限のサービスが必要で、Macを1台だけバックアップしたい場合は、
Backblaze1 やCarboniteがおすすめです。
一方、iCloudは5GBまで無料で利用できますから、「もう少し容量が欲しい」という場合、IDriveやZoolz BigMINDの無料プランが良いでしょう。
では、おすすめのサービスの注目ポイントをまとめてご紹介します。
よくある質問
Macにおすすめのクラウドバックアップサービスは?
包括的なクラウドバックアップサービスをお探しの方にはIDriveがおすすめです。さまざまな機能があり、初心者から上級ユーザーまで大満足のサービスです。Mac、iPad、iPhone、外付けドライブでご利用いただけます。Macのバックアップ容量が無制限で、使いやすいサービスをお探しの方にはBackblazeやCarboniteがおすすめです。
Mac向けクラウドバックアップサービスの選び方は?
クラウドバックアップサービスを選ぶ際は、価格、容量、セキュリティ機能、バックアップ機能を検討するだけでなく、ご利用のmacOSに対応しているか確認する必要があります。複数のユーザーが利用する場合、1つのプランで複数のパソコンをバックアップできるサービスや追加料金を払ってMacを追加できるサービスを探しましょう。もちろん、複数の契約・サブスクリプションに加入することもできます。
また、災害でファイル、フォルダ、文書、写真、動画などをすべて失う可能性もあります。そのような状況に備えて、オフラインでの復元サービスを提供しているクラウドバックアップを検討するのも良いでしょう。
iCloudの代替としておすすめなのは?
iCloudは5GBまで無料で利用できますが、空き容量が足りなくなった場合はZoolz BigMIND HomeやIDriveがおすすめです。どちらもMacで無料のクラウドストレージを利用できます。Mac、iPad、iPhoneで使える多機能のクラウドバックアップサービスをお求めの方はIDriveやAcronisをご検討ください。Acronisは日本語にも対応していますから、快適に利用できます。容量が多く、低価格のサービスが必要な方はBackblazeやCarboniteなど、容量が無制限のサービスがよさそうです。
Carboniteにお金を投じる価値はあるのでしょうか?
はい。Carboniteは容量が無制限で使いやすく、受賞歴のあるカスタマーサポートが親切に対応してくれます。インターフェースも使いやすいので、専門知識がなくても素早く導入できます。一番お得なのはPlusプランとPrimeプランでしょう。クラウドベースのウイルス対策ソフト、外付けドライブのバックアップ、ファイルの遠隔アクセス、自動クラウドバックアップなどの特長があります。Primeプランでは、バックアップしたファイルが入ったハードドライブを郵送してもらえるので、災害時も安心です。