GCP(Google Cloud Platform)は高性能クラウドコンピューティングサービスで、最高のパフォーマンスのサイトを運営できます。では、料金はどれくらいかかるのでしょう?AWS(Amazon Web Services)などの他社サービスより安いか気になりますが、その答えを調べるのは簡単なことではありません。
GCPは料金体系が非常に複雑なのです。併用可能な割引プランが複数あり、有料アドオンも多く、料金は秒単位で請求されます。実際、
GCPの料金体系があまりにも分かりにくいことが原因で、必要以上に料金を支払うことも珍しくありません。
この記事ではGCPのコストに関する疑問をすべてお答えしていきます。GCPの数々のサービスと全費用を徹底検証し、
他社サービスと比較しました。その結果、GCPのさまざまな割引を活用すれば、 他社サービスと比べてもかなり手頃であることが分かりました。では、詳しく見ていきましょう。
Google Cloud Platformの特徴と料金体系
料金体系は複雑ですが、平均より格安
Google Cloud Platform(GCP)は他社より格安です。特に、割引プランを活用するとお得になります。クラウドコンピューティングサービスとして、100を超える製品が提供されていますが、ウェブホスティングには
Google CloudのCompute Engine仮想マシン(VM) が最適でしょう。
秒課金なので、使った分だけ料金を支払えば済む からです。とは言え、このような課金体系に慣れていない方は困惑してしまうかもしれません。また、仮想マシンごとに割引の対象となる場合もあります。
1年または3年契約に加入するのが一番お得 です。確約利用割引が適用されるので、従量課金よりかなりお得ですが、中途解約はできませんのでご注意ください。一方、従量課金インスタンスは、いつでも解約できます。
支払い方法は、主要なクレジットカード、デビットカード、PayPal、口座振替、小切手に対応しています(日本ではクレジットカードとデビットカード)。Google Cloud Platformの90日間無料トライアルに申し込むこともでき、300ドル(およそ36,000円)相当のクレジットが付与されます。
なお、GCPは初心者には向きません。テクニカルサポートは高価格で、アンマネージドクラウドインスタンスの運用にはかなりの専門知識が必要となります。
共有コア仮想マシン
Google Cloud Platformの共有コアVMは、かなり格安です。 上記のインスタンスでは、CPUの処理能力が他の利用者と共有するため、パフォーマンス低下が予想されますが、かなり安いのが特徴です。
他社の仮想サーバーと比べればパフォーマンスは抜群ですが、リソースが限られているため、小規模プロジェクトに最適でしょう。
Google Cloud Platformの無料トライアルはかなり充実しています
Google Cloud Platformの無料枠で
e2-microが完全無料で使える の注目に値します。当月の合計時間分、e2-microの使用料が無料となるため、この種類のインスタンスを1台しか実行しなければ、永久無料で使い続けることができます。ただし、複数台のインスタンスを使うと制限を超える可能性がありますので、ご注意ください。
メモリは1GBしかありませんから、アクセス数が多い場合、WordPressなどのコンテンツ管理システム(CMS)を安定して運用するのは厳しいかもしれません。
さらに、CPUは0.25 vCPUコアだけです。定期的に無料で2vCPUまでバーストさせることができますが、これは保証されるものではなく、短時間しかバーストできません。
無料枠のその他の特徴として、30GBのHDD永続ディスク、5GBのスナップショットストレージ、中国とオーストラリアを除く全リージョンへの下りネットワーク通信が1GB まで、などが挙げられます。重要なプロジェクトにはおすすめしませんが、プロトタイプや静的サイト、アクセス数が少なめのWordPressブログには良いでしょう。
Google Cloudの共有コア仮想マシンでは、短時間だけCPU使用率をバーストできます
WordPressでサイトを運営したい場合、最低でもe2-smallのインスタンスがおすすめです。月額1,400円で、メモリは2GB、vCPUは0.5コアとなっています(スケールしていない状態)。基本的なCMSサイトを運営でき、時々アクセス数が急増しても対処できます。
料金は決して悪くありませんが、リソースを1年間または3年間使用するとさらにお得になります。
3年契約は前払い不要で、50%以上の割引となります 。通常通り、月払いでOKです。
Google Cloudの共有コアマシンは、同価格帯のAmazon LightsailインスタンスよりもCPUパフォーマンスが高く、長期契約は低価格です。
とは言え、Kamateraはバースト可能でCPUが共有でないインスタンスをGCPのオンデマンド料金とほぼ同じ価格で提供しています。アクセス数の急増にも対応できるリソースが保証されるわけです。
e2-mediumは、Google Cloudの共有コアマシンの中で最高のパフォーマンスです
e2-mediumインスタンスは、メモリが4GBで、CPUは1コアです。より柔軟ですが、e2-mediumの料金はe2-microの2倍となります。
リソースが増えるだけでなく、
e2-mediumなら合計120秒間、CPU使用率を100%にバーストできます(バースト時間はe2-smallの2倍)。 あまり長いとは思えないかもしれませんが、これはCPU使用率が100%の場合であり、100%以下にすればより長時間バーストできます。
このサーバーもコスパは抜群です。共有コア仮想マシンの場合、最高のパフォーマンスは期待できませんが、CPUコア数が保証されているのは非常に役立ちます。格安でリソースがここまで充実している他社サービスは少ないでしょう。
共有コア仮想マシンはどんな時に最適?
共有コア仮想マシンは、通信量が少ない単純なサイトやアプリに最適です。静的なHTMLサイト、ごくシンプルなWordPressブログを立ち上げたい場合、無料でe2-microを活用することもできます。
ただし、
特にCMSを使いたい場合は e2-smallがおすすめです。他社より格安で、新しいサイトを立ち上げるのに十分なリソースが割り当てられます。しかし、常に通信量が多い場合、Google Cloudの汎用仮想マシンで専用リソースを確保する必要があるかもしれません。
汎用仮想マシン
Google Cloudの汎用仮想マシン(汎用VM)はvCPUコアが専用 なので、他のユーザーと共有しなくて済みます。共有コアより高い信頼性が期待できます。また、汎用VMは、共有コアVMより柔軟にカスタマイズできます。
専用CPUにより、Google Cloudが提供する最高峰のインフラを生かせます。
vCPUやメモリがあらかじめ定義されたVMも提供されていますが、Google CloudならVMを独自に構築することも可能です
Google Cloudの一番安い汎用VM は、vCPUが2コア、メモリが8GBで、料金は~5,600円/月です。最も手頃なインスタンスの1つで、アクセス量の多いサイトやアプリを複数運営するのに十分なリソースが割り当てられます。
共有コアのインスタンスと同様に、1年間または3年間使い続ければ、料金が割引となります。さらに、これらのインスタンスはカスタマイズ性が高いという特徴があり、
特定のリソースだけ増減できます。 例えば、メモリだけ4GB追加したい場合、インスタンス全体のスペックを変えなくても簡単にアップグレードできます。
これらのサーバーは割高ですが、他社の類似サービスよりGoogle Cloudの方が手頃です。
Google Cloudのe2インスタンスは、大幅にスケールアップできます
e2-standard-4では、vCPUは4コア、メモリは16GBという高スペックで、料金はe2-standard-2の2倍となります。このインスタンスなら、アクセス数がかなり多いサイトも運営できます。
仮想サーバーインスタンスですから、プロセッサーは選べませんが、インテル(Skylake、Haswell、Broadwell)またはAMD EPYC Romeのいずれかとなります。Kamateraのプロセッサーは、よりパワフルなCascade Lakeですが、料金はGCPのe2マシンより割高です。
まとめると、
e2-standard-4は料金と処理能力のバランスの良いインスタンスでしょう。
Google CloudのN2マシンタイプは、トラフィック負荷が極端に高い場合に適しています
企業レベルの通信量に対処しなければならない場合、n2のインスタンスを検討しましょう。n2-standard-8は、vCPUが8コア、メモリが32GBというパワフルなインスタンスです。
e2シリーズと同じリソースにすることもできますが、
n2シリーズはプロセッサーがCascade Lakeなので、CPUコアあたりのパフォーマンスが高くなります。
ただし、n2シリーズをお得に使うには、毎月100%の使用率を達成しなければなりません。n2インスタンスは継続利用割引が適用されるので、月間使用量が高いほど割引率が高くなるわけです。
使用率が100%なら、20%の割引が適用されます 。
Google Cloudのn2インスタンスはネットワーク速度が優秀です
どんな状況にも対処できるクラウドインスタンスをお探しなら、n2-standard-16は検討する価値があるでしょう。合計すると、vCPUは16コア、メモリは64GBです。
もちろん、必要に応じてスケールアップでき、n2インスタンスはローカルSSDの接続も可能です。パフォーマンスの改善とレイテンシの大幅短縮が期待でき、重要なデータベースにピッタリの環境となります。
CPUの月間使用率がほぼ100%になることが予想される場合、他社より格安です。 そうでなければ、Kamateraの方が低価格となるかもしれません。GCPと同じパワフルなCascade Lakeプロセッサーを提供しており、使用率などの条件を満たす必要はありません。
汎用仮想マシンはどんな時に最適?
トラフィック量が多く、柔軟にカスタマイズできる環境が必要な場合、汎用インスタンスが良いでしょう。他社より低価格で、大量のデータを処理できます。
「どのインスタンスを選べばいいか分からない!」そんな場合は、
まずはe2-standard-2から始めると良いでしょう。 料金は手頃で、リソースも十分のはずです。必要になったらスケールアップできるので安心して使えます。
Google Cloud Platformの代替としておすすめのサービス
Google Cloudはメリットが多いですが、ニーズに合わない方のために、おすすめの代替サービスをまとめました。
Kamatera
Kamateraのエントリーレベルのインスタンスの方がGCPよりコスパが高いでしょう。Google Cloudでは、バースト可能なエントリーレベルのインスタンスは3つしかありませんが、Kamateraならカスタムインスタンスを作成できます。Kamateraのインスタンスは、CPUコアが他のユーザーと共有でないので、アクセス量の急増にもより確実に対応できます。
Kamateraの全インスタンスでCascade Lakeプロセッサーが採用 されており、Google Cloudのe2マシンより1コアあたりの性能が高いです。さらに、Kamateraの場合、条件を満たさなくても低価格で利用できます。
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Liquid Web
質の高いマネージドサービスとサポートが必要なら、Liquid Webが良いでしょう。Google Cloudの場合、迅速なテクニカルサポートと一部の運用サービスに高額の料金がかかりますが、Liquid Webのパッケージはマネージドサービスです。
さらに、
Liquid Webのテクニカルサポートは、どんな質問にも1分以内に回答することを目標としており、達成できなければ補償金をリクエストできます。
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Cloudways
独自のホスティングサービスを提供するのではなく、Cloudwaysはクラウドインフラの運用代行サービスです。Google CloudやAWS、DigitalOceanなどのクラウドインフラの運用を任せられます。
Cloudwaysは独自のホスティングスタックと格安のテクニカルサポートを提供することで、Google Cloudのホスティングサービスの利用を簡素化しています。 Cloudways独自のプラットフォームでサーバーの構成・運用を行えます。
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Render
Renderは開発者向けのクラウドサービスで、ワークフローの効率化を目的としています Gitと連携することで、新しいコードを本番環境に迅速にデプロイできます。
特に静的サイトにおすすめです。
無料で静的サイトをホスティングできるほか、グローバルCDNにもアクセスでき、100GB/月の無料帯域も含まれます。 Google Cloudの無料枠よりかなり好条件です。
AWS(アマゾンウェブサービス)
AWSはコストが高めですが、検討する価値はあります。Amazon Lightsailサービスは使いやすく、事前定義されたクラウドインスタンスから選べます。シンプルな月額課金制で、ネットワークとセキュリティの管理はマネージドです。こちらの方がクラウドホスティングを始めやすいと思います。
Google Cloud Platformのコストパフォーマンスは?
全体的に、Google Cloudの料金は安いでしょう。 また、割引プランもありますから、他社より大幅に節約できます。
しかし、マネージドサービスとテクニカルサポートをお探しなら、他社のプランの方がお得かもしれません。また、技術的なノウハウなければ、Google Cloudの格安サービスを最大限生かせないため、外部依頼しなければなりません。
どのインスタンスが最適なのか迷っている方のために、おすすめのインスタンスをまとめました。
プロトタイプや単純な静的サイトには Google Cloudのe2-micro がおすすめです。 無料で使えますし、リソースは少なめですが、軽量なプロジェクトには十分でしょう。
アクセス量が少ない動的サイトをホスティングしたい場合、 Kamateraを選ぶと良いでしょう 。 Google Cloudのe2-smallとは違い、CPUを他のユーザーと共有しなくて済みます。通信量が急増しても、格安でリソースを追加して信頼性を改善できます。
重要度の高いプロジェクトには、e2-standard-2を選びましょう。 専用CPUが割り当てられますから、高パフォーマンスとなり、最低価格は競合他社より手頃です。
よくある質問
Google Cloudは無料ですか?
Google Cloudの無料枠では、一部の基本サービスを利用できます。無料枠にはCompute Engine仮想マシンが含まれ、各ユーザーが1台のe2-microインスタンスを無料で使えます 。
Google Cloudの月額料金の目安は?
月額料金は、必要なリソースや帯域、ストレージ容量、他のサービスを有効にしたかなどによって異なります。目的別におすすめのGoogle Cloudインスタンスについて、GCPの料金体系 をご覧ください。
Google CloudはAWSより低価格ですか?
AWSとGoogle Cloudは同じような割引プランを提供していますが、Google Cloudの共有コアインスタンスと汎用インスタンスの方が基本料金が安い傾向があります。ウェブホスティングの世界に初めて足を踏み入れた方は、ホームページの作成方法をステップごとに解説したサイトの作り方完全ガイド をご覧ください。
Google Cloudの料金体系は?
Google Cloudは秒課金なので、使った分だけ支払うことになります。サービスの追加・削除、サーバーのサイズ変更などを行うと、料金に直ちに反映されます。料金体系が分かりやすいレンタルサーバをお探しの方は、2025 年におすすめのレンタルサーバ をご覧ください。