1. プランと価格
Linodeは返金保証付き。DigitalOceanは保証なし
DigitalOceanとLinodeはどちらもクラウドコンピューティングサービスを提供しています。つまり、クラウドを通して様々なコンピュータリソース(ストレージ容量や処理能力など)を購入できるわけです。DigitalOceanとLinodeはスケーラブルでカスタマイズ可能なクラウドVPS、Kubernetes環境などが利用できます。 他のサービスを使いたい場面もありますが、ここではクラウドVPSに注目します。DigitalOceanとLinodeはどちらも1時間単位での課金で、月払いです。使用時間分の料金しか請求されませんから、無駄がありません。 DigitalOcean クラウドホスティング
プラン名ストレージ帯域幅CPURAM価格
詳細情報 Linode VPS ホスティング
プラン名ストレージ帯域幅CPURAM価格
詳細情報2. サポート
DigitalOceanのサポートのほうが親身に対応してくれる
高価格なマネージドサービスを選んだ場合は別ですが、クラウドコンピューティングサービスはサポートの評判が悪い傾向があります。そこで、DigitalOceanとLinodeのカスタマーサポートの質を調べることにしました。 まず、どちらも主にチケットを通して無料サポートを提供しています。Linodeはライブチャットがあるものの、応答するのはボットで、ほとんど役に立ちません。 一方、チケットサポートは人間の担当者が応じてくれました。問い合わせ内容に関するサポート記事のリンクを教えてくれましたが、最適化は支援してくれないそうです。「Linodeのコミュニティ掲示板に投稿してください」と言われました。 筆者の体験では、DigitalOceanのサポートのほうが役立ちました。クラウドVPSにWordPressを正しくインストールできたかどうかサポート担当者に確認してもらった後、SSH経由での接続方法とWordPressの最適化に関する詳しいガイドを送ってくれたのでとても助かりました。返答に8時間も待たなければならなかったものの、少し時間がかかっても質の高い回答を得られたほうが良いですね。無料サポートサービスはDigitalOceanのほうが優れていると思います。 DigitalOceanとLinodeはプレミアムサポートも提供していますが、とても高価格です。マネージドサポートが必要な場合、Cloudwaysのほうが良いでしょう。CloudwaysはDigitalOceanとLinodeの両方に対応したサードパーティのマネージドサポートサービスです。はるかに安く、24時間年中無休のライブチャットサポートを提供しており、迅速に対応してくれます。3. 特徴
DigitalOceanは最適化されたストレージサービスあり。Linodeはありません
DigitalOceanとLinodeが提供しているのは専用のレンタルサーバーではなくインフラですから、クラウドVPSプランの無料特典は少なめです。白紙のサーバーが与えられ、特殊なウェブサーバーを構築するには自分で必要なものを用意しなければなりません。 例えば、両社ともウェブホスティングコントロールパネルやSSL証明書は含まれません。ほかから購入し、サーバーとサイトに適用することになります。DigitalOceanはオプションサービスとして、ビルトインCDNを含むオブジェクトストレージ「Spaces」を提供しています。静的アセットを保存し、適宜キャッシングできるため、サイトにピッタリです。しかし、このオプションサービスは有料です。 LinodeはCDNを提供していませんが、DigitalOceanとは違い、有料のサイト移行サービスを提供しています。料金はサイトがどれくらい複雑かによりますが、このオプションがあるのは良いでしょう。どちらもオプションの自動バックアップサービスを提供しており、これも追加料金がかかります。まとめると、ウェブホスティングに役立つ特徴はDigitalOceanのほうが充実しています。 正直なところ、両社のプラットフォームを通してサイトをホスティングする場合はCloudwaysのマネージドサービスを利用したほうが良いと思います。Cloudwaysは全プランに無料SSL証明書、無料Cloudways CDN、自動バックアップ、ステージング環境などが含まれます。簡単に始められるよう、必要なものがすべて揃っているほか、低価格です。DigitalOcean | Linode | |
ホスティングの種類 | クラウドVPS、マネージドKubernetes、マネージドアプリプラットフォーム | クラウドVPS、マネージドKubernetes、専用ベアメタルサーバー |
無料ドメイン | ✘ | ✘ |
無料SSL証明書 | ✘ | ✘ |
ディスク容量 | 25GB~7.03TB SSD | 25GB~7200GB SSD |
帯域幅 | 1TB~10TB | 1TB~20TB |
自動バックアップ | 自動バックアップは追加料金がかかります | 自動バックアップは追加料金がかかります |
コントロールパネル | デフォルトでウェブホスティングコントロールパネルはインストールされていません。自分でインストールする必要があります | デフォルトでウェブホスティングコントロールパネルはインストールされていません。自分でインストールする必要があります |
メールアカウント | メールアカウントは含まれません | メールアカウントは含まれません |
無料CDN | ✘ | ✘ |
無料サイト移行 | ✘ | ✘ |
返金保証 | 60日間無料トライアル(100ドルのクレジットを含む)、返金保証なし | 60日間無料トライアル(100ドルのクレジットを含む)、7日間返金保証付き |
4. パフォーマンス
CDN内蔵のDigitalOceanのほうがLinodeより高速
DigitalOceanのクラウドVPSはハードウェアが高スペックです。最高のパフォーマンスを実現するため、エンタープライズレベルのSSDを採用し、世界中に13か所のデータセンターを設置しています。特に注目したいのはCPUの処理能力です。パワフルなパフォーマンスでありながら、他社より安価です。また、「Spaces」というCDN内蔵のオプションサービスが含まれるため、ページの表示が大幅に速くなります。 DigitalOceanのクラウドVPSサービスは稼働率99.99%保証付きで、停止時間分の料金を返金してもらえますが、過去の利用者は停止時間のトラブルがあったようです。Linodeも過去に稼働率の問題が発生しています。しかし、筆者が最近稼働率を調べたところ、両社とも優れた結果となりました。 LinodeのクラウドVPSのハードウェアも注目に値します。特に、高速なIntel E5プロセッサとネイティブSSDを採用しているのでLinodeもスピーディーなホスティングサービスですが、自分で導入しない限りCDNはありません。また、稼働率保証はDigitalOceanより劣っています。保証されている稼働率は99.9%で、停止時間が発生しても返金を受ける権利はありません。サービスクレジットが付与されるだけです。 まとめると、パフォーマンスの観点では、CDNがあり、保証されている稼働率が高いDigitalOceanの勝ちとなりました。パフォーマンステストについて詳しくはDigitalOceanの完全レビューをご覧ください。Linodeのパフォーマンスと稼働率について詳しく知りたい場合はLinodeの完全レビューをご覧ください。5. セキュリティ
Linodeのセキュリティ機能はベータ版。DigitalOceanなら今すぐ使える
DigitalOceanとLinodeの両方でクラウドVPSのセキュリティはほぼ自己責任ですが、助けになるセキュリティ機能はいくつかあります。DigitalOceanは無料クラウドファイアウォールサービスを提供しています。ファイアウォールのルールを完全にカスタマイズでき、どのポートを開くか閉じるかコントロールすることも可能です。 Linodeはすべてのサーバーで無料DDoS対策を導入しており、カスタマイズ可能なクラウドファイアウォールサービスも提供しています。しかし、このサービスは現在ベータ版であり、完成していません。登録してサービスの検証に参加することもできますが、サーバーのセキュリティが危険にさらされますから、慎重に検討したほうが良いでしょう。 DigitalOceanでは、バーチャルプライベートクラウドを構築することも可能で、クラウドVPS、Kubernetes環境、ロードバランサー、データベースが安全にやり取りできるようになります。大規模なプロジェクトや、大量の機密情報を扱うビジネスにとって役立ちます。Linodeも似たようなVLANサービスを提供しており、機能は大体同じですが、やはりベータ版です(VLAN:バーチャルローカルエリアネットワーク)。 まとめると、DigitalOceanのセキュリティ機能は十分に試されていますから、より優れていますが、Linodeと違ってDDoS対策はありません。また、セキュリティパッチの適用、サーバーの監視など、重要なセキュリティタスクは両社とも自分で行わなければなりません。Cloudwaysはこれらの作業を行ってくれますから、サーバーのセキュリティ対策に充てる時間を大幅に削減できます。DigitalOceanの勝ち
DigitalOceanとLinodeのどちらかを選ぶとしたら、間違いなくDigitalOceanのほうがおすすめ です。両社のパッケージは似ていますが、DigitalOceanのほうが高パフォーマンスで、稼働率保証とサポートが優れているうえ、セキュリティサービスもはるかにしっかりしています。ただ、DigitalOceanもLinodeも初心者には向きません。 ウェブホスティングが初めての場合、Cloudwaysのマネージドサービス を利用すると大きな恩恵を受けられます。技術的な部分をすべて任せられるため、安心してサイト開発に力を入れられます。DigitalOceanとCloudwaysを使うと、専門知識なしでも非常にパワフルなホスティングソリューションが手に入ります。価格も激安です! 迷っている場合は2024 年におすすめのレンタルサーバーランキングで他社と比較しましょう。下の比較表も参考にしてみてください。DigitalOcean
Linode
プランと価格
格安。一番安いクラウドVPSプランのvCPUは1コア、RAMメモリは1GB、SSDストレージ容量は25GB、転送量は1TB。プランはスケーラブルで、60日間無料トライアルで100ドルのクレジットが使える。返金保証なし。
DigitalOceanと同額で、一番安いクラウドVPSプランはリソースも全く同じ。60日間無料トライアルで100ドルのクレジットを使うことができ、7日間返金保証あり。
主な特徴
無料CDNを内蔵した高品質でシンプルなオブジェクトストレージ。Webサイトに最適。プレミアム自動バックアップサービス。
プレミアムサイト移行サービス。CDNなし。プレミアム自動バックアップサービス。
パフォーマンス
内蔵のCDNがより高速なパフォーマンスを実現。稼働率保証が優れている。稼働率の問題が発生する可能性あり。
パフォーマンスはやや低速で、稼働率保証が劣っている。稼働率の問題が発生する可能性あり。
セキュリティ
無料のカスタマイズ可能なクラウドファイアウォール。バーチャルプライベートクラウドを作成可能。DDoS対策を含まない。
高度なDDoS対策を含むものの、クラウドファイアウォールとVLANサービスは現在もベータ版。
サポート
サポートはより手厚いものの、待ち時間が長い。無料サポートはチケットのみ。
サポートはあまり役立たないものの、対応はより迅速。無料サポートはチケットのみ。